晴天の空、流れる白い雲。
宿屋レギオンズソウルの周りに、仲間達が集まりました。
「古の理に基づき、これより儀式を執り行う!」
魔剣を高々と天へかかげ宣言するアストレア。
「かの者、祭壇へ歩を進めよ!」
同じく斧槍を天へかかげたアルディンの澄みきった声が響き渡りました。
仲間達が見つめる中、新品の魔衣を身にまとったサクラがあらわれました。
(とても似合ってますわよ)
遠巻きにメリュジーヌがサクラへウインクをしました。
少し照れながら、メリュへ微笑返すサクラ。
「クオォォーーンッ!」
手作りの祭壇の前で巨大なブルードラゴンが雄たけびを上げました。
「女神の使い蒼竜よ。この者の盾となり命に従うことを誓いますか」
クラウンフィールドの皇衣を身にまとったマリナが微笑ながら問いかけました。
「誓オウ。イカナルトキモ、サクラト共ニ ――」
アルルは巨大な翼を広げ答えました。
「かの者よ。この蒼竜と共に女神ウルディアの槍となり、平和と秩序を守ることを誓いますか」
「誓います。いかなるときもアルルと共に ――」
サクラの言葉に呼応するように、竜騎士の指輪が眩しく輝き始めました。
「こんぐらっちゅれーしょーん!」
「マリア」
マリアの姿になった神斧にサクラは小声で注意をしました。
「てへ、堪忍やぁ〜、ご主人さまぁ」
くるりと体を回すと、マリアは神斧の姿に戻りサクラの手元に戻りました。
―その姿を見て微笑む仲間達。
「女神ウルディアの加護があらんことを!」
歓声と拍手がサクラとアルルを包み込む。
さくらが――
アルマが――
メリュが――
アミリアが――
たくさんの仲間達が笑顔でアルルを祝福する。
(―― ウルディアよ、ありがとう)
振り向くと、太陽のように微笑むサクラがアルルを見上げました。
(―― ありがとう、サクラとめぐりあわせてくれて)
万雷の拍手が、いつまでも、いつまでも偽島の空へ響き渡りました。
作者
パティ☆
サクラとアルルの物語「竜騎士編」。こちらも長編になりますがSS:女神の子→SS:サクラとさくら→SS:予兆→SS:告白→SS:記憶→SS:覚醒 前編→SS:覚醒 後編→SS:祝福と読み進めていただければ幸いです。