本文
黒く燃え上がる炎。疲れきった様子の民と森の動物たちの列。
――この情景・・・。見覚えがある。
一人の少女が声をあげた。
「あの山を越えたら助かるわ。皆、頑張って!」
しかし、民は反応しない。中には座り込む者も出始める。
「もうだめじゃ・・・。」泣き出す老人。
絶望の重しが下り始めたとき、ふいに透き通った歌声が響いた。
あの少女が一段高い岩の上で歌いはじめたのだ。
じっと聞き入る民と動物たち。
やがて歌が終わると微笑みながら少女は言った。
「大丈夫。私が皆に嘘をついたことがあった?」
「・・そうじゃ。大丈夫じゃ。」「うん、きっと助かるさね!」
民と動物たちは再び山へ向かって歩き始める。
「貴方は皆を守って。私の最後のお願いよ。」
少女は槍を持つと、黒い炎へ向かって歩き始める。
――ど、どこへ行く?待て。
やがて少女の姿は炎の中に消えてゆく。
――待ってくれ!私も連れて行ってくれ・・・!
(・・・夢?)
アルルは自分が泣いていたことに気づきました。
(また、この夢・・・)
アルルは、静かに寝息をたてるサクラを眺め続けました。
レギオンズソウルにてへ続く
作者
パティ☆
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