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SS:暗雲

 本文


「女神の祝福を受けた国ですか」
スズミヤ卿は驚嘆の声を上げた。

「はい、この村はシルグムントで唯一、自治統治を許された国なのです」
アリアドス国王は答えた。

「元来、女神ウルディアの下、竜騎士達に守られた神国であったのですが、帝国の統括下で――」
「――宗教弾圧に遭っていたが、今はシルグムント唯一の神守護国になった・・・と」
「いかにも」

アリアドス国王は空を見上げた。
「この地に、間もなく災いが訪れることになるでしょう」
「ふむ・・・」
スズミヤ卿も、暗雲の空を見上げた。

「もし、我が国が闇に包まれたときは――」
アリアドス国王は、スズミヤ卿に向き直った。
「竜騎士と共に、我が国をお守り願えまいか」

スズミヤ卿はアリアドス国王の手を握った。
「我が同盟の絆は孫の代まで途切れることはありませぬ」
「スズミヤ殿・・・」
アリアドスはスズミヤ卿の手を強く握り返した。

暗雲はシルグムントの未来を暗示するように、暗く重くのしかかってきた・・・。

誓いへ続く

作者

パティ☆

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