本文
ドドドドド・・・!!
(うん・・なんだ?)
アルルは音のするほうへ向き直りました。
砂埃を上げ迫り来る王蟲の群れ。その先で幼い魔獣が必死に走っていました。
(いかん!)
アルルは飛び立つと、王蟲の群れへ向かいました。
「オーイ!チビスケー!」
「はぁはぁはぁ・・・た、助けてー」
「私ノ背中ニ飛ビノレー!」
幼い魔獣は、ボールのようにポンと弾むと、蒼竜の背中に飛び乗りました。
「はぁはぁはぁ・・・あ、ありがとうございますぅー・・・」
「ハハハ、間一発ダッタナ」
アルルは悠然と腐海の森を越え、孤独の山脈へ向かいました。
「オ前、ソレハイカンダロー」
「だってぇ、お腹空いてたしー」
「シカシダナ、ヨリニヨッテ王蟲ノ飯ヲクスネルトハ・・」
2匹は山を越え、運河の近くに降り立ちました。
「アルルさん、ありがとうございました」
「コノ先ニ町ガアル。ソノ姿ナラ誰モ妖虎トハ思ワンダロウサ」
「アルルさんは行かないんですか?」
「アア、ドウモ人間ハ苦手デネ。デハマタ会オウ」
後に、この2匹が想像もつかない所で再会しようとは、知る由もありませんでした。
作者
パティ☆
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- 大河ぁの、本当の名前って何デショ?w - パティ☆ (2009年12月26日 07時43分40秒)